目的地の確認 [エピソード]

今年に入ってから、期間限定ではありますが単身赴任的な状態になり、2か月が経過しました。
金曜の夜に自宅へ帰り、日曜の夜に職場に戻るという生活のため、なかなか屋根裏レイアウトへは行けません。
週末は妻を育児から解放してあげたいし、私自身も子供と過ごす時間が欲しいので、どうしても屋根裏は後回しです。

しかし、平日の夜なんかは仕事が終わったあとに屋根裏のこと、今後の製作過程、方向性などについて朧げながら考えたりしています。
あれこれ考えているうちに、人間という生き物は、道を逸れて訳の分からないことまで考えてしまうもの。
私も人間の端くれなので、なんでこの趣味を始めて、今に至るまで続けているんだろう?とか、いったい幾ら注ぎ込んだんだろう?とか、本当は何がしたいんだろう?とか考えちゃうんですよ。

バカですよね。

やりたいからやってんだし、10年以上かけて少しずつ買ってんだし、ジオラマ作って動かしたり光らせたりして動画でも撮りたいと思ってんだし、考えなくたって分かっているんですね。

ただ、自分を取り巻く環境が少しずつ変わってきているのは確かなことで、少なからず変化に影響されてブレてきている部分もあったりします。変化にシンクロしながら自分の道を見失わないために、ここらで頭の中や環境を整理しておくことが大事だと思いました。

そこで長くなるかもしれないけど、自分の目的地の確認。時間のある人だけお付き合い下さい。

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↑これが私の原点。
「世界最大の鉄道模型」という触れ込みが私を惹きつけたのは言うまでもないけど、本物を見て「これは自分が知っている鉄道模型ではない」と思ったのです。
それまで私が雑誌や模型屋さんなどで見てきたレイアウトは幾何学的、かつ、システマチックな線路配置、無機質で殺風景な街並み、不自然な地形、フォーリッジの山、言い訳程度に配置された人と車、ひたすら線路と鉄道車両。
子供の頃から模型が大好きだったけど、何かが違うと思った鉄道模型。
その概念を打ち破ったのがミニチュアワンダーランドでした。

そこには生きた人間の営み、活気に溢れた街並み、鉄道だけでなく、車やストラクチャーが動く、そして、リアルな地形、海、山、平原、森がミニチュアで再現されていました。
遊び心の詰まった世界、模型好きじゃなくても楽しいと思える世界がそこには広がっていました。
これこそが私が追い求めていた世界。
(ちなみに、私が訪問した時、空港はまだ建設中でした。)

あの世界観を屋根裏部屋の4500mm×3500mmのスペースに作りたいのです。
スケールは小さいけど、個人の趣味としては一生楽しめるサイズ。

●屋根裏ワンダーランドはこうありたい
1 主役は街並や大自然、鉄道はあくまで一部
2 夜景を実現
3 思わず笑ってしまうような人の営みを再現
4 カーシステム導入
5 今のところモビルスーツ禁止(笑)
他にもこだわりたい部分はあるけど、まぁ、こんなところ。

●運転システム
2008年、初めて手にした欧州型鉄道模型がDCCで、その凄さを知ってしまったため、運転システムはDCCにする予定だった。しかし、日本でDCCがちっとも流行らず悩んだ挙句、最初はアナログでいこうと思っていた。
でも、ここ最近になってyaasanさんの
Desktop Station
を知って日本でもDCCを手軽に楽しめることを知ったし、ワンコインデコーダーを提供しているNuckyさん
もいるし、実は日本って世界一リーズナブルな価格でDCCを楽しめるところなんじゃないかって気づいた次第です。
その知識を与えてくれたのが、Nardiさん。
Nardiさんはとにかく研究熱心な方で、DCCのあれこれを自ら購入検討して惜しげもなくブログにアップしてくれる。
この人の存在は本当に大きい。
DCCが気になってる人は絶対にブログを見るべき。
そしてヨーロッパ鉄道模型をデジタルで楽しんでいるJR浜松さん
木こりさん
もいる。
欧米の模型店から個人輸入だってできるようになった。
日本のメーカーがDCCを提供しなくたって、もう怖いものなし。
だから、屋根裏ワンダーランドはDCC対応で行くことに決めた。
とは言っても、最初はアナログでも運転できるようにして、最後は完全デジタル化という流れになると思う。
レイアウトが完成する頃には手元の車両もほとんどがDCCになってるだろうな。

問題は今まで集めてきたアナログ車両。デジタル化する予定ですが、中にはデコーダーを載せるスペースがない車両もあるはず。
そいつらにはストラクチャーとしての生涯を送ってもらうか、トレーラー化して重連用にするかしかない。
あとはポイント問題。
屋根裏レイアウトではKATOの6番ポイントを使用しているけど、今のところ公式にデジタル化できるのは4番ポイントだけみたい。
6番をデジタル化する実験をしてみないといけない。無理なら無理でポイントだけアナログでいってもいいかなと思う。
むしろ、トグルスイッチでバチンバチンてやるのも憧れる。

●シーナリー
日本でレイアウトを作るとなるとドカンとベニヤ板を置いて、そこに線路を敷いて地形を作る。楽だけど、立体的なレイアウトを作るのは難しい。
その点、私が採用しているオープントップ構法は路盤だけで線路を敷く場所を構成するため、高低差の自由度が無限になる。
ちなみにうちのレイアウトは最大高低差が480mmになる。
路盤と路盤の隙間に金属メッシュを張ってその上から石膏を塗って地形を作るので、より実感的な地形を再現可能。

山間部のシーナリーはヨーロッパらしく岩と針葉樹、平地は牧草地と広葉樹。

街は3カ所。
中央駅がある街は中世から続く旧市街地と20世紀以降の新市街地で構成する。
ローカル駅がある場所は郊外のニュータウン的な位置付け。
レーティッシュ鉄道的な沿線には、お城と観光地を再現する。

●コレクション
鉄道の時代設定は基本1990年以降。
つまりEP5からEP6になる。
でも、保存鉄道という名目でEP4以前もたまに走ってる。
国はドイツ、スイス、オーストリアがベースだけど、フランスやチェコも増えつつある。
最近はブログやツイッターで知り合ったヨーロッパ鉄道模型ファンの影響を受けて沢山の車両を買っているけど、本来はコレクション重視ではなく走らせること重視。
だから走らせられないほどのコレクションはいらない。
うちのレイアウトには37線のヤードがあるけど、既に飽和状態だからそろそろ自粛しようかと思ってる。

ということで、とにかく景色を重視、ディテールは追求しすぎず程よく、そこを列車が悠々と走り抜ける、車が走るレイアウトを作りたい。
その様子を動画撮影して編集を楽しみたいと思っている。

あぁ、なるほどね。
私の趣味って本当は鉄道模型ではないのかもしれない。
模型で憧れの空間を作って記録に残す。
それが私のやりたいこと、目的地なんだと思う。

ではまた!

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JR浜松

趣味も壮大になってくると整理する事も必要になりますね。私はすでに支離滅裂なんでも有り的に手を広げすぎました。
整理するとなっても欲望との戦いが待ってます(笑)
日本型と欧州型とで通過可能なカーブ半径が違いすぎます。
KATO6番ポイントはデコーダ次第で昔カスタムショップでDCC化出来ていたはずなので大丈夫と思います。非選択式にするのが4番より面倒な感じだと思います。

by JR浜松 (2019-03-08 21:58) 

Nardi(The Nameless City)

こちらを読んでなぜGutさんにシンパシーを感じるかがわかりました。
趣味において鉄道模型自体が主役な分けではない事です。
ミニチュアワンダーランドの設計思想もそうですが、小さな旅の物語性を作って行くうえで鉄道模型と言う素晴らしい素材がある感じですね。
もともと欧米はシーナリーを作る方が多いようなのでストラクチャーなどアクセサリーも豊富で鉄道模型を中心にミニチュアの世界が広がってるように思います。

私は入口こそRailjetのデザインに憧れてましたが今はミニチュアを撮影する楽しさに目覚めてしまいました。
そしてそれを見てくれる人がいると言う事がまた楽しい。

Gutさんのレイアウトは前回のも含めて私の憧れです。
この規模の欧州型レイアウトとジオラマを作る方は世界でも数少ないので日本でももっともっと注目されるべきですね!
とは言え進捗も楽しいので無理せずゆっくり作って行ってください。

ちなみに6番ポイントの非選択式ですがポイント自体を改造しなくても分岐側にフィーダーがあれば良いだけですからお手軽で良いと思います。
しかもフィーダーは本線か隣のレールとつなぐだけで良いですしね。
その方がリスクが少なくDCCもフル活用できますね。


by Nardi(The Nameless City) (2019-03-09 08:05) 

Gut

JR浜松さん、nice、コメントありがとうございます。
私の場合、最初からヨーロッパ型だし、日本型を買う余裕もなかったので自然と首尾一貫しています。NからHOへの転向という禁じ手さえやらなければ。笑
6番ポイントのDCC化はやはり可能なんですね。
それを聞いて安心ですが、ポイントの数だけデコーダーを買い揃えたら大変な金額になってしまいます。汗
by Gut (2019-03-09 09:00) 

Gut

いっぷくさん、niceありがとうございます。
by Gut (2019-03-09 09:38) 

Gut

Nardiさん、コメントありがとうございます。
「鉄道模型が主役でない。」そこなんですよ。
そこが日本と欧米の鉄道模型の一番大きな違い。もちろん、欧米だって鉄道模型が主役の遊び方もあるけど、ほかにストラクチャー重視、シーナリー重視、ミニカー重視と言った感じで選択肢が広い。それぞれの素材が共鳴し合ってクオリティが上がる。素材同士をどうやって組み合わせるかが最大の醍醐味なんだと思います。
私も前作のレイアウトを撮影して、その面白さに気がついたんですよね。動画撮影において鉄道模型は動く、光る、音が出る、といった優秀な素材。早くレイアウトを完成させて撮影、編集という新たなステージにたどり着きたいです。
by Gut (2019-03-09 10:26) 

がおう☆

こんにちはです。

レイアウト工事に触れられないからこその整理、良いタイミングではないでしょうか?
ついつい当初の目的(夢)みたいなものは、現実の前に崩れてきてしまいます。
ミニチュアワンダーランドは、国もスケールも違えど、私も魅せられた一人です。
あそこまでの規模は無くとも、列車が生きている風景を走らせる目的は同じだと思って製作しています。
PECOで全面的に作っているのも幾何学的プランから逃げたかったからです。
DCCはあまりに今の車両数が多くて、切り替えるには難しいですが、列車以外の車が走ったりとかも再現したいとは思っています。
by がおう☆ (2019-03-09 14:14) 

ネレトー

こんばんは。久しぶりに失礼致します

最初に定めた目標からずれていってしまう事が多い身なので染み入ります。
鉄道自体、自分は大好きですが資料写真以外は風景の一部だったり、人と鉄道が深く関わるような絵だったりしています。

何でしょうか、人の営みとともにある形が自分も好きなのだと思います。ミニチュアワンダーランドは動画とか写真だけですが素晴らしいと思いますし、GUTさんのレイアウトは心から尊敬しています

自分もシーナリーを作り始めて余計にそう思うようになりました。
今後もマイペースに頑張ってください!
楽しみにしております。
by ネレトー (2019-03-09 22:52) 

Gut

がおう☆さん、コメントありがとうございます。
フレキを使う理由は私と同じだったんですね。私は幾何学線路防止の他にもレイアウト台に対して角度を付けた線路配置を心掛けています。がおう☆さんのところもきっと意識しているんでしょうね。
DCCの導入は所有車両が多いほどハードルは高いですし、日本型となるとさらに厳しいですよね。
でも、いつかはDCCも走らせられるように配線だけしておいてもいいと思います。
by Gut (2019-03-10 09:51) 

Gut

ネレトーさん、コメントありがとうございます。
鉄道に限らず、全てのものが周囲の物や人と調和しながら存在しているので、模型もやっぱりそこまで再現してあげないと魅力が薄れてしまうと思うんですよね。
もちろん、単体で遊ぶのだって楽しいですが、最後はやっぱり景色の中に溶け込ませて遊ぶのがいいのかなぁって思います。
by Gut (2019-03-10 20:04) 

Gut

ぼんぼちぼちぼちさん、yamさん、niceありがとうございます。
by Gut (2019-03-10 20:06) 

Gut

トータンさん、niceありがとうございます。
by Gut (2019-03-11 08:23) 

ジュンパパ

こんにちは。
更新に気付かず拝見しそこなっていました。
既に皆さんがコメントされている通り、ユニトラックの6番ポイントのDCC化は全く問題無いと思います。
6番は4番と違なり非選択式に出来ないので、ポイント開通方向しか通電出来ません。DCC的には常時通電したいところです(ポイントデコーダーの電源・信号をポイント線路から引く場合、直前のポイントが開いていないと動かないetc為)
ポイント出口とそこに繋がる線路にギャップを設けフィーダーで繋げば簡易的には常時通電出来ますが、ポイント切り替え忘れでギャップを超えるとショートします。
又DCCには無関係な機能ですが、4番で完全非選択にしておけばスプリングポイントとして使えますが、6番では出来ません。

ヤードなどではDCCでもポイント開方向のみ通電の方が誤動作が無いと思います。ショートなどでDCC信号が誤動作すると通電線路上のDCC M車が一斉に暴走します(100V主電源OFFが必要)

長文失礼しました
by ジュンパパ (2019-04-08 15:09) 

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